12月号

鶴永武久の

経営・税務コラム

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平成15年11月20日

前回11月号で、これからの会社経営は、キャッシュ(現金)だと話しました。ではキャッシュを集めるだけでよいのでしょうか?なかなかそうもいきません。お金も貯めてばかりでは、濁ってしまいます。やはり、投資と運用が大事になります。

では、どのようなことに投資をすると良いのでしょうか?基本は、事業投資をすることです。

私は、不動産投資をしても構わないと思いますが、今までとは考え方がまったく違ってくると思います。今までのように値上がり益ねらいの投資は絶対にすべきではありません。購入した不動産がいくらのお金を生むかが問題となります。そうです投資利回りが大事になります。

不動産投資だと、単純利回り(投資額に対する家賃収入の割合)が15%以上、できれば20%は欲しいところです。冗談ではないよ、そんな物件があるわけがないじゃあないかと言うことであれば、投資をしなければよいだけです。

何もリスクを犯して、大して儲かりもしない不動産に投資をする必要は全くないのです。不動産投資信託なども私は反対です。あんなリスクのある商品はないと思います。不動産投資信託に投資するのであれば、極端な言い方ですが、トヨタ自動車などのできるだけ安全な株を購入し、10年くらい忘れてた方が儲かりそうです。また、リスクも少ないでしょう。よく考えて投資することです。

では、事業投資とはどういうことかといいますと、事業投資とは、自分で今行っているビジネスの拡大のための投資若しくは自分で新しいビジネスにチャレンジすると言うことです。こういうところに投資をし、開拓していかないと現状を維持することは難しくなると思います。

もし、現在のビジネスがあまり儲からないということであれば、新規にビジネスを研究し、果敢にチャレンジすることです。当然、失敗しても影響がない程度の投資をすることが大事になります。

お金が100あるとすれば、20くらいの投資をすることです。100しかないのに200も投資するようでは、万一成功したとしても、体に良くありません。(笑い)

昨年、私も新ビジネスと投資の研究会を開催していました。そこで、お客さまで現在の仕事とはまったく関係のないビジネスを起こし、見事に成功しています。これからも日々努力が必要ですが、一度成功を収めると後は楽です。10年くらいは何とかなると思います。

この研究会で学んだビジネスの考え方は、3つあります。

一つは、今まで、一度起業したら基本的に一生その仕事をしていくという時代から、今後は、一度あるビジネスが成功しても、5年か10年くらい続けば良い方で、いつまでも続くことはない。

2つ目は、基本的にビジネスの成否は、最初に答えはある程度分かっているということ。最初から成功するかどうか分からないと思えるものにはチャレンジしないこと。100%成功すると思えるビジネスにチャレンジする。しかし、現実は、そう思いこんでいても100%成功するわけではないのですから、やる前には、100%勝てると思える戦略が必要だということです。 

3つ目は、ビジネスで成功を収めるのは、あまりうまくいかないビジネスでものすごい努力をするよりも、儲かるビジネスを探すことである。
    ということが何となく分かってきました。

株などの投資は、その投資する会社の状況が何も分からずに投資をしています。仕組みも分からずに株で成功することは難しいと思います。しかし、自分でやっているビジネスの場合は、その内容は自分でよく分かります。また、努力のしようもあります。
 もし、うまくいかない場合は、早めに撤退することもできます。そして、またチャレンジすることです。

大変な時代になったとは思います。しかし、バル前の時代と違って、個人でも上場企業でも実力のある会社が延びていく時代です。自分一人で行っているビジネスでも勝てる時代になっていることは事実です。
 PS.あまったお金を外貨預金にしておくのも一考だと思います。利息を稼ぐというよりも今後どのようになるか分からない時代へのリスクヘッジです。当然、日本の銀行ではなく外国の銀行がよいと思います。