5月号 |
鶴永武久の 経営税務コラム |
鶴永税理士事務所/会計事務所 |
役員給与の一部が経費とならなくなる件について!
以前、税制改正に書きました役員給与の損金不算入について、細かい規定等が整ってきましたのでその件について改めて書きたいと思います。
今回の役員給与(役員報酬)の規定の正式名称は、「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」(法35条、法令72、72の2)となっています。 専門用語を書きますと皆さん、よくわからなくなると思いますのでできるだけ簡単に書きます。
上記のことを簡単に書くと、まず、会社の株式の10%超を同族関係者以外の人が持っている会社は、除外されます。それと同族の役員が全体の役員の50%未満の会社も除外されます。この場合の役員の総数は、実際に働いている役員ですから、非常勤などは除かれます。その上で、過去3年間の利益に役員報酬を加算した金額の平均額が、年間800万円以上の場合は、役員給与の一部が経費になりません。 自社の過去の決算書等を確認し、一部損金にならない会社かどうかをご確認下さい。 |
<具体的な損金不算入額の計算>
それでは、具体的な損金不算入額の計算例を示します。 例えば、月額役員給与が 100 万円の会社の損金不算入額です。年間で 1,200 万円ですから以下の金額が損金不算入額となります。 損金不算入額は、 230 万円となります。法人税の実効税率は、 30% 〜 40% ですので、法人税が年間 69 万円〜 92 万円多くなります。法人都民税も含んだ金額となります。今までよりもこれだけの税負担が出てくることになります。給与の多い会社は当然、もっと多くの税負担が出てきます。 <損金不算入額の計算式>
給与額が 65 万円以下 このように、中小個人零細会社に重い負担となります。 しかし、納得のいく改正ではないですが、法律ですから対応をしなければなりません。 以上 |