2月号

 
鶴永武久の

経営税務コラム

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平成18年 2月20日

 新会社法について!

新会社法の施行日は、平成18年5月です。
5月以降は、株式会社と有限会社が一本化され、今後設立される会社は全て株式会社となり、有限会社の設立はできなくなります。

【新会社法のポイント】

1.最低資本金制度の撤廃
極端な話、資本金は1円でも株式会社を設立可能となります。

2.従来の有限会社は?
特例有限会社として、有限会社の主なルールを引き継ぐ。
有限会社〇〇という商号は引き継げる。決算公告の必要はない。役員の任期はなし。株主総会、取締役の他に任意で監査役が設置できるが取締役会は設置できない。など従来の有限会社法のままとなります。

3. 配当制限
会社の純資産が 300 万円以上ないと配当はできなくなります。

4.株式譲渡制限会社かそうでないかにより会社の規模が違ってくる?  株式譲渡制限会社とは、株主が株式を譲渡する場合に、会社の承認が必要な会社のことです。株式譲渡制限会社以外の会社は、基本的に上場会社等の大会社になると思われます。

5.株式譲渡制限会社の取扱い
 ・役員の任期は、原則2年ですが、定款の記載により10年にできる。
 ・取締役会の設置をしなくても良い、この場合、取締役1名、監査役なしとできる。簡単に言うと一人で会社が設立できることになります。(これまでの株式会社は、取締役3名以上、監査役1名以上)

6.株式譲渡制限会社で、取締役会を設置しない場合は、株主総会の力が強くなる。例えば全ての株主に議題の提案権が与えられる。

7. 監査役を設置しない場合も株主の取締役に対する監督権限が強化される。

8.新規に株式会社を設立する場合、銀行の払込保管証明書が必要なくなる。また、増資の場合の保管証明書が不要となる。

9.今までは、同一法務局管内の場合、同じような名前・目的の会社は設立できませんでした。しかし、今後は、住所が違えば設立できるようになり、類似商号の調査が必要なくなります。ただ、有名な会社の名前を使うなどは、商法ではなく不正競争防止法で規制されていますので、やはり、有名な会社の名前は使えないのは今まで通りです。

10.会計参与が設置できる。会計参与になれる人は、税理士か公認会計士となります。また、顧問税理士が会計参与になることは問題がありません。そのため、ほとんどの中小企業では、顧問税理士が会計参与になることになると思います。会計参与は、取締役と同じ地位になり、共同して計算書類等を作成します。  ただ、その責任が重いため、会計参与を設置できる会社は少ないと思われます。会計参与を設置している会社は、銀行などの評価が大きく向上すると思われます。

 以上、中小企業に関係が深い部分のお話しをしました。
 今後設立される会社は、全て株式会社となり、これまでのように株式会社であれば資本金は1,000万円以上という事がなくなります。
  そのため、新規の取引などの場合は、会社の謄本の提出もしくは調査があるのではないかと思います。
  また、新たに有限会社は設立できませんので、逆に有限会社〇〇というのが、希少価値になるかもの知れません。
  いずれにいたしましても、5月以降は会社の設立が多くなることは、間違いないと思います。 会社が簡単に設立できることになりますので、これまで以上に、そのビジネスの中身が問われることになると思います。

                    以上