7月号
 
鶴永武久の

経営税務コラム

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平成17年7月20日

今回は、土地の価格についてお話しします。

土地の価格は、一般の人が考えているより、意外と複雑で、我々税理士の中では、その価格には、4つの価格が存在します。

土地の価格は、?通常の売買価格?公示価格?路線価格?固定資産税評価額があります。

公示価格とは、毎年1月1日現在の土地の価格を国土交通省の管轄で、調査し価格をつけているものです。毎年7月に新聞紙上等でも発表されるものです。

次に路線価格ですが、これは相続税や贈与税を計算するときに使われる価格で、公示価格の8割の価格が目安となっています。

固定資産税評価額は、固定資産税を徴収するための価格で、この価格も公示価格の7割を目安としています。

公示価格を基準に、土地価格を決めているわけですので、公示価格を100とすると路線価格は80、固定資産税評価額は70と言うことになります。

どうして、このような価格がついているかと言いますと課税庁が、税金の徴収をする上で必要であるためにこのような価格が決められているわけです。

極端なお話しをすると、土地価格とは売り手と買い手がいて、その中で決まる価格が土地の時価です。その時価を国サイドが、この辺の土地はこれくらいだと結構いい加減な決め方がされているわけです。

例えば、相続税の申告をする際などは、この路線価を基準に、相続税が計算されます。しかし、現実には、不動産鑑定士が個別の土地を鑑定すると税務署の評価額が異常に高い場合もあります。そのような場合は、当然、鑑定価格で土地の評価をしないと相続税の納税額が、高くなってしまいます。中には、数千万円も違う場合があります。

現在は、土地の価格が大分、下落し、ある程度落ち着いていますが、一時期などは、年々の下落率が高く、2〜3年で、土地の時価が半分になった時代もありました。このような時代に相続があった方などは、

 納税ができずに、土地を全て処分しても足りないという逆転現象までありました。

 一般の方が、土地の価格について考えることはあまりないと思いますが、土地価格は、ビジネスを行うことにも非常に関係してきます。事務所や店舗を借りたり、自宅を購入したりする上で、誰でも土地の基本的な知識は持っておいた方がいいと思います。

土地価格は、主に次のような事で変動していきます。

?売買の需給関係

?人口の増減

?金利の動き

?保有税(固定資産税)の負担割合

?国際価格との整合性

?経済の動き

 これらの社会的な現象が土地の価格に反映され、皆さんが購入する分譲マンションや1戸建ての住宅の価格が決まってきます。

今現在のお話しをすると、東京の都心部の一部でミニバブルが発生し、土地が手に入らない状況になっているようです。しかしながら、私鉄沿線の駅から徒歩10分から15分程度の住宅地などは、まだまだ買い手が少なくてその価格も下がっているようです。

上記の土地価格が決まってくる要因から考えましても、土地は以前のように値上がりを期待するものではなく、そこに住んだり、商売をするためのものであることは確かなようです。

アメリカでは、現在住宅バブルが発生しているようですが、これも一時的なものでそのうち土地は下がるだろうと言われています。中国の主要都市も一時の土地の高騰が沈静化し、今度は逆に行きすぎた分下落しそうです。

なんでもそうですが、行き過ぎは必ず調整されます。土地・マンションなどは、本当に必要なものを購入するといいと思います。

                           以上