8月号

鶴永武久の

経営税務コラム

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平成16年7月20日

今後、お金はどこに預ければいでしょうか?

 この質問を良く受けます。ペイオフも来年の4月に全面解禁となります。困っている人は、たくさんいらっしゃいます。
今年に入ってから景気回復の経済指標が出てきて、景気回復が叫ばれています。金利も上昇しそうです。皆さんにおかれましては、どのようにお考えでしょうか?

先日、相続税の申告の依頼を受け、相談に行ってきました。そこでちょっとおもしろい話が出てきました。
 財産を相続する奥様が、郵便局の定額預金を1万円持っていました。これは何ですか?と質問したところ、「これは亡くなった主人の形見だ」とおっしゃいます。良く話を聞くとご結婚されたのが、昭和19年でその時にご主人が持ってきた結納金300円を郵便の定額貯金にしておき、今まで60年間、大切にしてきたものだと言うことです。

 笑いながらお話ししてくださいましたが、60年間の利息が9700円です。約33倍です。
この話で、昭和20年頃(ちょうど終戦の年)ですが、このときの物価を調べてみました。

 初任給の平均が80円、コーヒー5円(ずいぶん高いですね)、駅弁50銭と、こんな感じです。
 ですから、300円の結納金は、給与の3ヶ月分くらいです。現在の給与は20万円くらいですから、給与が2500倍になったということになります。利息は33倍です。今では、1万円は子供のお年玉になります。

 生命保険なども似たような話はたくさんあります。ここで考えなければなりません。
昭和62年くらいまでの日本経済は、高度成長をはたし、ものすごく物価も上がり、賃金も上がりました。
そのため、昭和20年はおろか、昭和30年以降でも、現金の価値は下がり続けました。

今後もそうなるでしょうか?

 

 

 今の日本は低成長時代です。生命保険会社などは、預かった現金の運用で四苦八苦しています。
生命保険に入っている我々個人にしてみれば、運用利率が低くても、物価上昇がなければ、生命保険の加入リスクは低いことになります。
こういう時代は、生命保険なども上手に利用する必要があります。

 景気回復が叫ばれていますが、実のところ、まだまだ予断は許さないと思います。日本経済がどうなるかは、未だにわかりません。先日、UFJ銀行と東京三菱銀行との合併が発表されました。UFJ銀行は、実質倒産と言うことです。

 どの銀行が安全かという質問は大変、難しい質問です。
言えることは、もし、大手の銀行がつぶれるようなことになれば、日本国がつぶれることになると言うことになります。
 では、たくさんお金を持っている人は、どうすればよいのでしょうか?
 一つは、大手銀行に分散する。
 二つめは、外貨を購入し持つ。
 もう一つは、金を購入すると言うことになります。

 いずれにいたしましても、今の金利では、利息をもらうことには、あまり意味がありません。いかに安全に資産を保有するかが問題になります。特にここ3年くらいが問題です。
ユーロ・ドル・金・円・不動産・有価証券とバランス良く資産保有しなければなりません。

 今の時代は、何が起きても不思議ではありません。どんな事が起きてもそれに対応できるようにバランス良く資産を保有し、バランス良く借金をするしかないのです。

私のように、預金より借金の方が多い人でも、上記の考え方は同じです。借金してでも、保険、外貨などは、保有する必要はあります。
勉強のつもりで、少額で結構ですから資産・負債のバランスを取ったらいかがでしょうか。もちろん、自己責任で・・・

以上