5月号

鶴永武久の

経営税務コラム

鶴永税理士事務所/会計事務所

113-0033東京都文京区本郷4-15-7

TEL 03-3818-1479

FAX 03-3818-1598

E−メールアドレス:dai@tas-t.com

平成16年4月20日

 現在のビジネスで儲かるポイントはなにか?
20年前であれば、言い方は悪いがビジネスの中間業者が、結構儲かる時代であった。しかし、現在のようにメーカーとエンドユーザーが近くなると、なかなか中間業者が生き残るのは難しい時代になってきた。
ビジネスで儲けるためのポイントには、裏と表がある。表は、商品を売る力。裏は、商品を仕入れる力である。
 大量に商品を購入すれば、単価は安くなるものである。ゆえに、仕入れる力があれば、簡単に儲かるのである。現在でも、この仕入れる力は、ビジネスの原点である。 
一方、売る力は、昔から変わっていない。いつの時代でも売る力があるところには、商品は、集まるものである。特に、エンドユーザーを抱えている会社には、商品がどんどん集まる。
 今、儲かっている会社は、以下の3つの力を持っている会社だ。
? 商品を探す情報力、購入する財力のある会社。
? エンドユーザーを多く持ち、売る力を持っている会社。
? 他社にないノウハウ、特許など開発力のある会社。
この3つのパターン以外は、どんどん淘汰される時代環境になってきている。
この3つの力の一つを得ることは、簡単な事ではない。大変な差別化となる。多くの会社は、この3つのうち、一つももちあわせていない。そのため、どうしても中間業者となり、圧倒的に儲かることができずに、苦しむことになる。
 今の時代は、情報化社会であるため、あっと言う間に、情報が伝達してしまい、あるヒット商品が売れ続ける時間も短くなり、また、新しい商品を探すことになる。ビジネスモデルもあっという間に古くさいものとなる。
では、我々零細会社が今後10年、20年と生き残って行くにはどうすればよいのか?
その答えは、中間業者になっていないかどうか確認し、中間業者となっている場合は、売る力を獲得するのか、仕入れる力をつけるのか、その両方を獲得するのかしかないことになる。

 

 例えば、家具の業界を見てみると、以前は、問屋さんも町の家具屋さんも儲かっていた。しかし、今は、メーカー直販は、当たり前である。
 大方の人は、最近、町の家具屋さんで家具を買ったことはないはずである。布団屋さんしかり、電気屋さんしかりである。家具や布団、家電製品は、郊外型量販店、インターネット、通信販売で安く買えるのである。このようなビジネスをしていると物販ではなく、サービス業に徹して行かないと生き残れなくなる。
 信頼を売ることが最大のポイントとなる。値段では、100%負けてしまう。これに徹することができなければ、商売を辞めるしか方法はない。

 飲食店などの立地産業の場合も、大手飲食チェーンがどんどん業態をのばしている。どこに行っても同じ店があり、飽きてしまうように思うのだが、ビジネスとして成り立つのである。
飲食店の場合は、仕入ルートをきっちり押さえ、おいしいものを出し、地域ナンバーワンを目指すならば、生き残りの道は、たくさんあると思う。しかし、これとて、経営者としても感覚がないと難しい。
努力は、今まで以上に必要だと言うことである。
我々、零細会社が生き残るためには、売る力をつけることしかないと思う。元々、お金がないわけであるからコツコツとお客様を増やしていくしかないのである。
色々な業態で、淘汰が始まって、久しい。しかし、お客様を持っている会社は、やはり、安泰である。
儲かってくれば、チャンスはどんどん広がる。今度は、仕入れる力を手に入れることもできるし、商品開発をすることもできるし、設備投資をすることもできるのである。
中間業者が、不必要だと言うことではないが、飛び越される可能性が高いということである。そのような事は、日常茶飯事となっている。会社が成り立つには、商品を磨き、お客様を増やす以外に方法はない。
もう一度工夫し、努力しましょう!
                           以上