5月号

 
鶴永武久の

経営税務コラム

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平成18年 5月20日

  役員給与の一部が経費とならなくなる件について!

 以前、税制改正に書きました役員給与の損金不算入について、細かい規定等が整ってきましたのでその件について改めて書きたいと思います。  今回の役員給与(役員報酬)の規定の正式名称は、「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」(法35条、法令72、72の2)となっています。

 専門用語を書きますと皆さん、よくわからなくなると思いますのでできるだけ簡単に書きます。
  今回の役員給与が経費(損金)にならいない会社は以下の用件を満たしている会社です。
  1. 会社の株主が、社長やその家族の場合、その持ち株割合が90%以上になっている会社が前提となります。
  2. 業務に従事している役員の数のうち同族以外の役員が半分に満たない会社
  3. 過去3年間の会社の利益が、一番多く給与をもらっている役員(通常は社長)の給与を引く前の利益の3年間の平均額が、年800万円以上である会社。

  上記のことを簡単に書くと、まず、会社の株式の10%超を同族関係者以外の人が持っている会社は、除外されます。それと同族の役員が全体の役員の50%未満の会社も除外されます。この場合の役員の総数は、実際に働いている役員ですから、非常勤などは除かれます。その上で、過去3年間の利益に役員報酬を加算した金額の平均額が、年間800万円以上の場合は、役員給与の一部が経費になりません。

  自社の過去の決算書等を確認し、一部損金にならない会社かどうかをご確認下さい。

 <具体的な損金不算入額の計算>

  それでは、具体的な損金不算入額の計算例を示します。

 例えば、月額役員給与が 100 万円の会社の損金不算入額です。年間で 1,200 万円ですから以下の金額が損金不算入額となります。

 損金不算入額は、 230 万円となります。法人税の実効税率は、 30% 〜 40% ですので、法人税が年間 69 万円〜 92 万円多くなります。法人都民税も含んだ金額となります。今までよりもこれだけの税負担が出てくることになります。給与の多い会社は当然、もっと多くの税負担が出てきます。

<損金不算入額の計算式>

   給与額が 65 万円以下
       65 万円全額
   給与額が 65 万円超 180 万円以下
       給与額× 40% ( 65 万円以下の場合 65 万円)
   給与額が 180 万円超 360 万円以下 
       72 万円+(給与額− 180 万円)× 30%
   給与額が 360 万円超 660 万円以下
       126 万円+(給与額− 360 万円)× 20%
   給与額が 660 万円超 1,000 万円以下
       186 万円+(給与額− 660 万円)× 10%
   給与額が 1,000 万円超
       220 万円+(給与額− 1,000 万円)× 5%

  このように、中小個人零細会社に重い負担となります。
できましたら、株式の保有を考えたり、役員の数を増やしたりし、課税されないようにしなければなりません。
  ただし、租税の回避目的ではなく、今後の会社の安定的な運営のために、このような行為をしなければなりません。

  しかし、納得のいく改正ではないですが、法律ですから対応をしなければなりません。

                   以上