3月号

鶴永武久の

経営税務コラム

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平成16年2月20日

前回、今年の4月より改正される消費税の話をしました。今回は、その続きで、小売業者等が一般消費者に販売する場合の価格表示の改正の話です。
今回の改正は、店頭・カタログなどの価格表示を総額にするというものです。なぜ?総額表示なの?との疑問がわきますがそれはさておき、改正の内容をお話しいたします。

簡単に言えば、商品の表示価格には、絶対に総額を表示しなければならない。ということです。

例えば、税抜き価格9,800円の商品の総額表示の例示をしてみます。

? 10,290円
? 10,290円(税込)
? 10,290円(うち税490円)
? 10,290円(税抜9,800円)
? 10,290円(税抜9,800円、税490円)
? 9,800円(税込10,290円)
                       となります。

これらの表示方法は、財務省、経済産業省、公正取引委員会で認められている表示方法です。

かたや、認められていない表示方法は、

? 9,800円(税抜)
? 税抜9,800円+税
? 税抜9,800円 税490円
? 9,800円(消費税等490円)
などの表示方法です。

比較してみるとわかりますが、前者は、その全てにおいて、価格の総額が記載されています。総額を表示しないとだめなのです。

 

それでは、上記の適法な表示方法の内、一番良い表示方法は、どの方法でしょうか?
これは、人間の心理状態にもよると思いますが、

9,800円(税込10,290円)が一番良いと思われます。
 最初に見える価格が大事です。ここで注意しなければならないことは、カッコ書きの税込10,290円を小さくしたり、目立たない色にしたりすると違法な表示方法となります。
もうすぐ、この法律が施行されますので、店舗またはカタログなどの表示方法は、今から決定し、準備しておかないと大変です。
しかし、なぜ、総額表示なのでしょうか?消費税を目立たなくすることにより、今後、増税する準備をしていると感じるのは、私だけでしょうか?

   人間の心理的・感情的には、1,980円、3,980円、 9,800円などは、商品を安く感じさせるマジックプライスとして、物販市場では定着しています。100円ショップにしてもそうです。4月からは105円ショップとなるのでしょうか?たぶん、そうはならないと思います。実質的にこれらの価格を引き下げることになるでしょう。さらなる経営努力が必要になります。中には、便乗値上げもあるかもしれません。
このような改正は、ビジネスを大きく変えるものです。
今後、消費税は7%、10%と増税されることは既定路線となってきています。
色々な面で、大変なことが起こりますが、事前に物事を理解し、それに対処していくしか我々には選択の余地がありません。
 一時的には、消費が落ちるかもしれません。今までと何ら支払う金額は変わらなくても、心理的に総額表示になれば高く感じるものです。財布のひもはちょっとしたことで固くなるのです。
商品価格の表示の仕方にも工夫が必要です。