1月号

鶴永武久の

経営・税務コラム

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平成15年12月20日

今回は、税金について色々な角度から大雑把な意見を述べたいと思います。

日本の税制は、法人税、所得税、相続税、贈与税の直接税と消費税を筆頭とする間接税に分けられる。税金と言うものは、人それぞれ受け止め方が違うものである。年収300万円の人、年収3億円の人。利益が出ている企業、そうでない企業。財産を多くお持ちの資産家、財産などあまりない一般庶民などその人の立場により、色々と違ってくる。

例えば、所得があまりない65才以上の方が、今年までは、老年者控除50万円と基礎控除38万円、年金控除等で税金を支払う必要がなかったが、来年の改正により、老年者控除が廃止になり、年金控除が圧縮され、課税されてしまう。

これなどは、お金持ちのお年寄りなら良いのだが、年間100万〜200万しかないお年寄りにとっては、大変なことです。

消費税にしても、来年の改正で、年商1000万円以上の個人・法人が全て課税対象となり、今まで消費税を支払っていない方が、支払うことになります。消費税の簡易課税制度なども、年商2億円までは、選択できたのですが、今後は5千万円以下の売上げの会社しか選択できなくなります。

ほとんどの増税は、個人・零細小企業が負担するものばかりです。

財政もすごい赤字ですから税収不足を何とか解消しなければなりません。

外国との企業競争に負けないために、一定の優秀な企業に対する減税は、厚く行われています。

また、来年度の改正で長期保有の土地建物の譲渡益に対する税率が26%から20%になるようです。一生懸命働いた所得に対する最高税率が50%でただ土地を持っていた利益に対する税率が20%です。う〜ん正しいのでしょうか?土地の流動化を図り、経済を活性化するためのようですが、土地の流動化が起こると土地はまだまだ下がると言うこと。不良債権は大丈夫でしょうか?

いずれに致しましても、内需、消費を増やさないと景気は良くなりません。消費税の負担、年金問題など

はマインドを相当押し下げています。

個人・中小企業にとっては、減税と言うことは当分なさそうです。2〜3年のうちに法人税は少し下がると思いますが、その前に利益が必要です。

中小企業の事業承継なども大きな問題です。一生懸命頑張り、利益を出して会社を安定させ、いざ子供に引き継がせようとすると膨大な株の評価となり、悪いことにその値段で買ってくれる人はいない。

実質的に事業承継が難しくなる税制になっている。この税制も今後緩和されることは、明白だと思います。

今年、相続税の一部が減税になり、最高税率も50%になったが課税される財産総額10億円以下位の人には、あまり関係ないことです。

この税制を見ても、政府の方向性が分かります。一部のお金持ちに対する優遇となっており、今後は持てる者と持たざる者の格差がドンドン開いてきそうです。夢を持てる国にする必要があると言うことでしょうか?平成10年位までの年収1億円の人に対する税金と今の税金は比較にならないくらい低くなりました。この間テレビで、落合監督が苦笑いをしていました。自分の現役時代は大変だったと税金を82%払っていたそうです。しかし、今の50%も大変な金額です。

ないものにとっては、贅沢な悩みに写るかもしれませんが、持てる者も結構悩んでいます。
言えることは、できるだけ多くの人が頑張って、沢山稼ぎ、社会に各々が貢献する心でいければ一番良いと思います。才能のある人が頑張らなければ、日本は諸外国に負けてしまいます。才能がある人が頑張るには、政府が目指している税制が必要なのかもしれません。才能のない私などは困りますが、ひとりで反抗することもできません。ない頭を絞って少しでも世の中に貢献し、自分も良くなりたいものです。

次回から2回に渡り、消費税について今後の改正点を細かく見ながら対策を検討します。

良いお年をお迎え下さい。
年末のお休みは12月27日〜1月4日までとなります。よろしくお願いいたします。