11月号

鶴永武久の

経営・税務コラム

鶴永税理士事務所/会計事務所

113-0033
東京都文京区本郷4-15-7

TEL 03-3818-1479

FAX 03-3818-1598

E−メールアドレス:dai@tas-t.com

平成15年10月15日

今回は、これからの会社経営の考え方について、お話ししたいと思います。

日本は、昭和30年代から高度成長を成し遂げ、物販業などは、商品を店頭に並べればすぐに売れる時代でした。当然、インフレ経済で、土地なども大きく値上がりしました。そして、昭和60年頃から平成2年頃までの5年間は、ろうそくの炎が最後に燃え上がるように、大変(異常)な好景気がおきました。そして、その後13年間は、デフレ、マイナス成長、不景気と言われる時代になっております。この低成長は、当然、まだまだ続くでしょう。

そこで、このような時代における会社経営について、考え方を述べます。

高度成長時代は、金利も高く、預金をしていても6%くらいは利息が付きました。税金も高く、法人税57%くらい、個人は75%の税金を支払っていました。利益を出して、税金を支払ったらほとんど、お金が残らない時代です。当然、儲けたお金は、投資をした方が有利です。土地でも買って置いておいたら、すぐに倍になる時代です。でも、これからはそうはいきません。

では、今後はどうしたらよいのでしょうか?

儲けたお金は、どこにおいておけばよいのでしょうか?土地を買って置いておけば、下がるかもしれないし、預金をしても金利が0.02%では、金融機関の倒産リスクの方が高い。どうしたって、夢を持てる時代ではないようです。

私は、考えました。まず、会社ではできるだけ利益を出し、結果として法人税を支払うことになるのですが、この方が今の時代には合っています。

法人税がかつての57%から最高で40%になっています。今後は、もっと下がることはあっても上がることはなさそうです。個人所得税も75%から50%になりました。

投資をする前に、利益を出して、現金を手にすることが現在の会社経営では一番大事なことになります。

今の時代は、キーワードはキャッシュ(現金)だと思います。

借入金は、できるだけ返済する。稼いだ現金は、土地投資などせず、事業投資以外には使わないことです。

今後は、持てる者と持たざる者の格差は、ドンドン開いてきます。それは、税率を見るとよく分かります。

今までは、高い税金をとって再分配していました。物価も上昇し、給与も上がりました。

このような時代は、個人個人の生活レベルが平均化し、1億総中流と言われるようになりました。今度は、貧富の差を付けざるをえない時代になります。そうしないと日本という国の国力が落ちるからです。

頑張る人は、ドンドン良くなり、そうでない人はドンドン貧乏になります。

我々税理士も、節税ではなく利益を出すためのアドバイスができなくてはなりません。

先日、ある高給取り(年収4,000万円)のサラリーマンの方から相談がありました。
税金をたくさん持っていかれるのでマンションでも買って節税したいとのこと。まだ訳の分からないことを言っている人がいます。マンションを買って節税すると言うことは、お金を損すると言うことです。マンションを買って節税して良い時代はインフレ経済でのことです。今は、マンションを買って所得を増やす時代なのです。いわゆるフローの時代です。値上がり益がない時代ですから投資した金額に見合う収入がなくてはなりません。

何もマンションを買って損をするより、その分旅行や贅沢をした方がよっぽどいい時代です。もし、不動産投資をするなら年利回り15%以上の物件に投資をすることです。

時代と共に考え方は違ってきます。良い投資をするようにしましょう。