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鶴永武久の

経営・税務コラム

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平成15年4月15日

平成15年税制改革!

デフレ脱却なるか!

 

今年は、税制改正ではなく、税制改革と題して改正がありました。税制改革について、皆さんに関係する部分と私が感じることをお話しします。

 

1.少額減価償却資産の経費枠の拡大

 

 今まで、1個あたり10万円未満を少額なものとして、その全額をその年の経費にしていました。改正により、10万円未満が30万円未満に引き上げられました。この改正は、平成15年4月1日以後の購入資産から適用。

 

2.交際費の限度額の拡大

 

 改正前は、資本金5,000万円以下の法人の交際費400万円以下について80%を経費に認めていたのですが、改正後は資本金1億円以下の法人について年間400万円以下について90%が経費化できるようになりました。平成15年4月より適用(3年間の時限措置)。

 

3.試験研究費の税額控除等

 

研究開発の投資をすると投資した金額の10%位の税金を安くするよ。という改正。研究開発費のない会社にはあまり関係がない改正です。平成15年4月より適用。

 

4.相続時精算課税制度

 

65才以上の人が、20才以上の自分の子供に贈与をした場合、2,500万円まで非課税にし、相続時に、相続財産として、計算し直す制度です。平成15年1月1日より適用。

 

5.留保金課税の一時停止

 

 留保金課税とは、同族会社で大きな利益(約3,000万円以上)が出た時に、通常の法人税に10%20%の税金を追加する制度です。一般的に言って中小企業のうちでも利益が大幅に出る企業が関係してくる規定です。

この追加課税を一定の会社について、平成1541日〜平成18331日の間に開始する事業年度の間停止する減税です。利益企業には効果的です。でも、あまり利益のでない会社には…?

6.配偶者特別控除の廃止

 

 配偶者控除を受ける人(合計所得金額38万円以下)に関しては廃止。38万円以上72万円以下の人については、現行と同じです。これは、実質専業主婦については、所得控除が38万円少なくなることになります。これによる増税は4,800億円にもなります。これは平成16年度の所得税(17年3月申告分)から適用。

 

7.消費税の増税

 

これは、聞いただけでドキツ!とします。消費税の改正は、?免税点3,000万円が1,000万円になります。売上1,000万円以上3,000万円未満の会社等は、新たに消費税が発生します。

?簡易課税の適用法人が売上2億から5,000万円に引き下げられます。売上5,000万円以上2億円未満の会社は消費税が現在の約1.5倍位にはなります。

平成16年4月以降開始する事業年度から適用。これによる増税は、5,040億円にもなります。

減税より先行きの増税におびえることになります。

 

当事務所も個人事務所ですから消費税の50%UPは大変です。皆様と同じです。対策は、納税資金を準備し使い込まないこと。

う〜ん大変だ!無駄使いしないようにしなければ!

 

これでは、景気は回復しそうにありません。

 

今回の税制改革は、デフレの脱却と景気回復を税制面から後押しするということでの改革です。増減税中立を基本とし、1.5兆円の先行減税となっています。しかし、総じて言えることは減税が一部の企業に偏り、増税が我々庶民、中小零細企業に響くものとなります。

 

広く薄く増税し、国際競争力をつけるという意味なのか、利益が出ている企業に、研究開発投資やIT投資に対する減税をしています。これでは、世の中の法人の90%を占める従業員30人以下の中小企業や個人の先行き不安感は消えず、消費の拡大はできず、景気の回復は望めそうもありません。

 

税制改革という割には、イマイチかなあと感じます。消費マインドを上げるためには、利益800万以下の法人税(22%)12%くらいに減税するなどはよいと思うのだが..

 

この税制改革について詳しい内容を知りたい方は、事務所までお問い合わせ下さい。